イギリスのクリスティーンさんはてんかん症者で、週に二、三回発作を起こします。もし発作がいつ起こるか予想できなかったら、クリスティーンは外出したり、階段を昇ったりすることができなかったでしょう。でも、彼女は発作を事前に予知することができます。なぜなら、愛犬のアニーが警告してくれるからです。アニーは後ろ足で立ち上がり、クリスティーンにもたれかかって、飼い主の顔をなめようとします。クリスティーンはすぐさま横になります。そのすぐあとで彼女は発作に襲われるのです。「なぜかわかりませんが、アニーは私がいつ発作に襲われるか予想できるのです」とクリスティーンは語ります。
ジャッキーさんの場合、週に数回、発作に襲われます。ある日、大通りで倒れて以来、彼女は外出するのが怖くなってしまいました。そこで彼女は『サポート犬』という慈善団体に問い合わせを入れました。同団体はサムという名の犬をジャッキーに提供しました。この犬もまた、痙攣の発生を事前に予測するよう訓練されているのです。それ以来、ジャッキーの人生は一変しました。「サムは発作が起こる20分前に知らせてくれます。家の中にいるときは、吠えて警告してくれます。外にいるときは、私の前に座り、まるで犬の銅像のように私をじっと見つめます。そこで私は安全な場所に行って、痙攣に備えることができるのです」。
1990年代、獣医のアンドリュー・エドニーが、痙攣を予知できる犬について調査しました。これは世界で初の試みでした。その結果、特定の種が傑出することはありませんでした。あらゆる種や年齢の犬が痙攣を予知できることがわかったのです。また、男女差もありませんでした。通常、犬は大挙しててんかん症者に群がり、安全な場所に誘導したのち、横たわるよう促したそうです。発作が起こったら、犬は患者のそばで待機するか、もしくは助けを呼びました。犬たちの判断は驚くほど正確でした。エドニーは次のように語ります。「誤った判断を下した犬は皆無でした。ある犬など、見せかけの痙攣を見通し、無視したほどです。」
どうして犬は発作を事前に予知できるのでしょう?答えを知る人はいません。振動や微妙な匂いを察知するのかもしれません。でも、犬は人から離れていても、痙攣の発生を予測することができるのです。ある犬は別の部屋から飛び込んできて警告を発したそうです。五感以外の感覚が働いているのかもしれません。理由がなんであれ、何千人というてんかん症者が自由で安全な人生を送っているのは、犬のお陰なのです。